2013年10月19日

読売新聞連載小説「怒り」最終回


追いつこうと夜中までブログを更新し、寝たのが午前3時、

なのに7時前には目が覚め、あわてて玄関に朝刊を取りに行き、

はやる気持ちを抑え、ば〜っと紙面をめくりました。

あれ?勘違いしてました、今日が最終回、

そして予想はしていたものの、やはり「う〜ん」でした。


また、ストーリーをなぞるだけになってしまいますが、書きます。

最終回は、辰哉の手紙の続きから始まります。


『そして、最後に一つだけお願いがあります。

良い思い出はないかもしれませんが、波留間島のことだけは、どうか嫌いにならないで下さい

知念辰哉』

ロッカーを開けたまま、中をじっと見つめる泉、

店は混んできたようでスタッフの忙しそうな声が聞こえ、早く着替えようと思うのだけれど、なぜか体が動きません。

辰哉からの手紙を何度も読み返し、そこに書かれてあることが彼の本心なのかと泉はずっと考えています。

関係ない。忘れてくれ。もう手紙は送らないでくれ。

そういった辰哉の言葉が本心からのものではないと分かっていながら、彼自身も早く今回のことを忘れたいと思っているのではないかと気づき、だとすれば、

まず、彼が忘れたいのは自分なのではないかとも考えてしまいます。

もちろん、そうじゃないと思いたい、でも、その方法がわかりません。

泉は休憩室に戻り、テーブルの上の雑誌を手に取り、波留間島の写真が掲載されたページを捲ると、殺風景な休憩室を、あの海から風が吹き抜けていくようでした。

泉はそのページを丁寧に切り取り、ロッカー室に戻って、自分用の小さなロッカーを開け、その扉の裏に波留間島の写真を貼りました。

初めて辰哉のボートに乗せてもらい、海に出た時のことが思い出されます。

嫌いになんかなれるわけがない。忘れられるわけがない。そしてふと気づきます。辰哉の言葉が真実でも嘘でも、私は辰哉を信じている。もう、それしか残っていない。。

団体客が来たようで、また店のほうが騒がしくなり、泉は急いで制服に着替え、紙製の帽子を被り、ロッカーを閉めようとして、また波留間島の写真を見つめます。

きっと島の人たちは私のことを許してくれない。でも、いつかあの島に帰りたい。辰哉のボートに、あの青空の下に、もう決して戻れないあの島に、帰りたい。

泉はロッカーを閉め、客で混む店に駆けていくのでした。(了)



私の盛りだくさんの疑問には、何一つ触れることなく終わってしまいました。

あ〜だったのかも、こうだったのかも、と想像する自由を残してはくれましたが、やはり消化不良です。

作者の言いたいことは何だったのか、とか、タイトルの「怒り」の意味とか、考えるのはもうやめることにしました。

国語のテストじゃあるまいし、受け取り方は人それぞれ、正解なんてないんですから。

辰哉の手紙の続きから始まった最終回は、

言葉を選び、短いけれど泉に負担をかけまいとする辰哉の気持ちがにじんでいて、

山神を刺したのは自分との間に起こったこと、と頑なに言い通した辰哉の姿が浮かんでくるようで、こんなたった16歳の男の子が、と、そこまでは、じ〜ん、ときていたのですが、

『・・・波留間島のことだけは、どうか嫌いにならないで下さい』

では、キンタローが頭に浮かんでしまいました。

そんな意味じゃないことは、もちろん、じゅうぶんわかっていますよ、ですが、このフレーズがどうしてもそうさせてしまうんですよ。

消化不良な最後で終わってはしまいましたが、思い返すと、それぞれの登場人物のセリフや心理描写は、そうかも、と共感することはいくつもありました。

終盤で記憶に新しいこともありますが、

北見が彼女に去られた場面での「全てを受け入れるなら、全てを知る必要などない」

そして最終回の

「いつかあの島に帰りたい。辰哉のボートに、あの青空の下に、もう決して戻れないあの島に、帰りたい」

は、忘れられなくなりそうです。

決して戻れないあの島、を暗示してなのか、泉がロッカーに貼ったと思われる、波留間島の海の写真が、

最終回の挿絵が白黒なんですよ。

もし、そうじゃないのなら、挿絵くらいは、波留間の真っ青な海は、カラーにして欲しかったなぁ。。。

最後の最後まで重いストーリーでした。




タグ: 辰哉 怒り
posted by ふ〜みん at 23:52 | Comment(9) | TrackBack(0) | 読売連載「怒り」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする



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