
飼い主の先生が、偶然この全員集合を見て目を丸くしますが、彼らだけでゆっくり語らせてあげよう、とサッシの窓を閉め家の中に籠ります。
どうやら、先生には彼らが仲間同士で、何かを語り合ってる、というのはよくわかっているんですね。
動物と会話ができる、あのハイジがここにいてくれたら、こんなことがあったんだよ、こうやって戻ってきたんだよ、と詳しく通訳して、先生はどんなに感激したことだろう、と思うんですけど(笑)
でも、会話ができないからこそ、こちらが思いやって、こうじゃないか、ああじゃないかと動物の気持ちをくみとろうとするから強い愛情を持てるし、それに応えてくれるんだと思います。
この物語は、28日で最終回となりました。
物語の前半、タータとチッチは、タミー救出に参加するため、フリスビーに乗って川を下り、マクダフたちと合流、
「タミー号」と名づけたそのフリスビーは、川辺の草むらに隠しておきました、
救出を終えた今、その、フリスビーに乗って、川を下って、そのずっと先の別の川、「海」を見てみたくないか?、とチッチが言います。
「海」と聞いて、救出途中にレインボーブリッジから見えた東京湾の眺めを思い出し、心が騒ぐタータ、

そのフリスビーに、今度は「川の光」号と名づけ、新しい冒険の旅に船出しよう、とチッチは言います。
タータの心は動きます、「川の光」号を操作しながら、トンネルを抜け、川を下り、海を見に行く、なんて素晴らしい考え、
でも、そんな無謀な旅の行く手に待ち受けている数々の危難、
苦労、困難、緊張の末、やっとタミー救出を終えたばかりだというのに・・・
ひとまず、川の上流の家に帰って、お父さんを安心させてやり、ゆっくり休んで、と考えていたタータ
冒険に出よう、というチッチの誘いにタータが返事をしようとしているところで、この物語は終わりとなっています。
たぶん、タータは、海への魅力に抗えず、冒険に出かけるんだろうと思います。
私は、タミー救出後、姿を消したマクダフが「再び乗り出した」という一文に気をとられ、ストーリーを追っていましたが、
その乗り出した出来事は、ここには書いてなくても、別な場所で別の仲間たちと冒険が始まっていることなのかもしれません、
強い絆で結ばれたビス丸と直樹、森の王となって平和な仁政をしいたキッド、
タータとチッチはフリスビーで海へを目ざそうとしていますし、
おそらく、タミーだってじっとはしていないでしょう。
最後に『しかし、ここから始まるのもまた、もうひとつの別の物語である』と、結んであります、
また、それぞれの冒険が、どこかで交差することもあるのかもしれません。
そして、いつかまた、「川の光」の続きとして繋がっていくといいなあ、と思っています。