2018年11月20日

【忍者月輪】伝兵衛が弟子に密書を奪い取らせたわけ

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この物語の冒頭のシーンは、主人公伝兵衛が弟子が密書を奪い取ってくるのを待っている場面だった。

その密書を出した人間とは
松永久秀=織田信長側の大名で、かつて伝兵衛が仕えていた大名を滅ぼした奴、

松永は誰に密書を出していたのか?
敵対する本願寺や毛利、上杉に出していた

なぜ松永は敵対する相手に密書を出していたのか?
信長が松永の狡猾さに気づいて、いずれはポイされることを恐れ、そうされる前に毛利や上杉と組んで信長を倒そうと考えていたから

なぜ伝兵衛は松永の密書を奪い取ろうとしたのか?
城を滅ぼされ、仲間も殺され松永に深い恨みを持っていたから。

これをもっと詳しく説明すると、
城を滅ぼされ仕える主を失い、以降伝兵衛は各地の大名から依頼された仕事をやって報酬を得ていた。
ま、社員からフリーになったようなものかな。そうやって諸国を飛び回っている時に、偶然ある忍者から声をかけられた。

「あんたは上野の萱生の坊んではおまへんか?」と

その忍者は伝兵衛と同じく伊賀忍者で見覚えがあった。彼は今、信長側の大名についていて仕事をしていた。
その中に松永の身辺調査もあり、伝兵衛が松永に恨みを持っているのを知っていたので、今自分がやってる仕事を伝兵衛に譲りたい、
そうすれば松永を追い詰めることもできるのでは?と持ちかけたのだった。

松永が出した密書を奪い、偵察を重ねることで信長への裏切りの証拠を集め失脚させる=復讐を果たせる、伝兵衛もそう考えたのだった。

松永の身辺調査の指示を出したのは信長側の大名で、伝兵衛にとっては敵になるけど、今は使える主もなくフリーなわけで、
忍者は侍ほど君主に忠誠つくすというような縛りがなく、そこは柔軟だったのかもしれない。

冒頭の弟子の帰りを待つシーンは、すでに伊賀忍者から業務を引き継ぎ、その上司にも顔合わせが済んで、松永の密書を奪い取ることを始めていた場面だったのだ。

「忍者月輪」の本筋は伝兵衛の松永への復讐劇、ここまでたった25ページしか読めていない、難解だ。。。

登場人物の会話が方言というのもかなり読みにくい。大阪弁というよりは関西弁なのかなぁ?私には明石家さんまさんのしゃべりが浮かぶ、「どなたはんだっか」とか「おますのや」とか、だからと言ってユーモラスな雰囲気はまったく無いんだけどね。

でも、冒頭のシーンが理解できて良かった。伝兵衛たちが進言しても無能であった主は何ら対策を立てず、松永に城を攻められ、仲間も殺された、残虐なやり方で。主は松永と和睦しその場で命を落とすことなく(わずかだけれど)生きながらえた。

伝兵衛は優秀な忍者だったから、城や主を失った後もあちこちから仕事の依頼があり生活に困ることはなかったけど、

松永への恨み、憎しみは消えてなかった。そんな時に同郷の忍者から松永失脚へ繋がる仕事の引き継ぎを受け、まずは奴が出した密書を奪うことから始まった、というわけだ。

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こんなにじっくり読むのは生まれて初めてかも、目次を見るとたったこれだけなのに、最後まで読み終えられるだろうか。。。



posted by ふ〜みん at 23:18 | Comment(0) | 読売連載「忍者月輪」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする



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