まずは、典子のダンナの家出のてん末から、
砂浜の小舟の中で寝ていたダンナ広行を見つけた典子は、
網をかぶせ、確保、力ずくで長倉家へと連れて行きます。
(その日、また市長と一緒にバスで移動中だった和平が浜辺に女性といる
ダンナを目撃、典子にその場所を連絡していました)
和平、千明も交え、四人で話し合いのテーブルにつきます、
(画面では、左端にダンナ、右端に典子、そして正面に和平と千明が
並んで座った状態)
千明が、何がそんなにあなたをかりたてるのか?とダンナに質問すると、
自分でもよくわからないけど、青年よ荒野を目指せ!みたいな感じ?
わかるよね?と和平の同意を得ようとするダンナ、
(表情も言い方もまったく反省の色がない)
わかりませんよ、だいたい、あなたは青年じゃないでしょ?と和平、
ダンナはもう中年、いや、老年期にさしかかっている、
青年は荒野を目指していい、
目指すべきだけれど、
ダンナの言う荒野が何なのかは知らないが、
青年は荒野に行ってもそこで生き抜く力も、
帰ってくる力ってある、
と言うと、
確かに、中年以降は荒野を目指しちゃダメ、
行き倒れになっちゃうから、
だから、青年よ荒野を目指せなんですよ、と千明、
(この掛け合い漫才のようなやりとりが本当に面白い)
ダンナの自由への憧れに理解を示しつつも、
それなら、きちんと離婚をしてから
荒野を目指すべだ、という和平に対し、
千明は、
そんなに自由を求めるのなら、最初から結婚したり
家庭をもたなければいい、
自由には自由なりのさみしさや苦しさがあって
それと引き換えなのに、
両方いいとこ取りは卑怯、
結婚した時に典子に妻として、
母として生きるという大きな選択させておいて、
今さらこの歳になって放り出すのか、
自由っていうのは人を犠牲にして手に入れるもんじゃない、
自分を犠牲にして手に入れるものだ、
だから私は認めない、
どんなに日常ががつまらなくても家に帰れって話ですよ、
ほんと自分勝手ですよ、男って!
と千明が言うと、
和平は、
何で、自分のほうを見て言うんですか?
自分だって千明と意見は同じだけれど、
こうやって何度も家出を繰り返すんだったら
仕方がないんじゃないかっていう話ですよ!!
当事者は蚊帳の外、
千明と和平のヒートアップした口喧嘩になってしまいました、
それまで、黙って話を聞いていた典子がやっと口を開き、
千明、ほんとにありがとう、
でも、私この人のことが嫌いになれないんだよね、
この人の理想は私の所、つまり自分の居場所があって
時々逃げて夢を見たいってたいっていう程度のことだから、
いたらいたで腹が立つ時もあるから、
時々出て行くのを認める夫婦っていうことで、
有料で、いち荒野めざすことに十万円を払うのは、どう?
という典子の提案で、あっけなく解決したのでした。
ちょうど、そこへ
一度帰った、真平、知美夫婦が食材を手に、
一緒に夕飯を食べようと戻ってきます、
ダンナも戻ってきて、話し合いも済んで、ほっとしたところに、
真理子が帰宅するなり、二階の部屋に駆込みます、
異変を察知したその場にいた全員が、真理子の部屋の前へ、
そして、千明がふすまの向こうの真理子に話しかけます、
(実は、真理子は、局が製作する映画の脚本家に大抜擢されたのです、
千明も現場スタッフも、誰もが喜び、当然真理子もうれしいだろう、
と思っていたのですが、どうも違っていたようです、
真理子はその脚本の話を断ってきたようで)
乗り越えれば、次の大きな仕事につながる、
脚本を任されたのは、不安だろうけれど、ちょっと頑張れば乗り越えられる、
その方が、真理子にとっても幸せでしょう、幸せになろうよ、
なってもいいんだよ、と千明、
なのに、なんの反応もなく、あきらめ、もう少し時間をおこうと
みんなが部屋の前から離れようとした時、
ふすま越しに真理子は必死に千明に語ります、
今、自分は幸せなのだと、
今より大きい世界に行きたいとは思っていない、
不安だから、とか、自信がないからとか、そういうことではなく、
ずっと、一人の世界に引きこもっていた自分が千明と出会い、
新しい世界を与えてもらい、千明のそばで仕事をしていく、
それだけで十分幸せだと、
ちがう世界に飛び出すことより、
今いるこの世界でがんばることのほうが自分には
幸せなのだと、
それを聞いた千明は真理子に詫び、
人をはそれぞれ自分のペースで前にすすめばいいんだよね、
しかも、世界に大きいも小さいもない、
分かってあげられなくて、ごめん、と謝るのでした、
和平にうながされ、やっと部屋から出てくる真理子、
理解しました!あんたの幸せ、
ま、それはそれでファンキーなんだよね、と千明、
(真理子ちゃんは成長したよね、
また引きこもりに戻るか、と心配になりましたが、
心を閉ざさずに、
ちゃんと自分の気持ちを説明できるようになったもの)
真理子も出てきて、一段落したところに、
階下から、
こんばんは〜、と知美母の声が、
(夕飯に招待された、と言ってるが)
降りてきたダンナと顔を合わせ、
お互い驚く二人、
荒野に旅立ったんじゃないですか?と知美母、
実は典子のダンナだったと知り、
天涯孤独って言ってましたよね?
知美母の男友達というのが、ダンナのことだったと、そこでバレる、
ひと荒野、二十万円に値上げするからね!
と典子にクギをさされたものの、
それ以上の展開にはなりませんでした。
まあ、ダンナが戻ってきて良かったですね、
やっぱり典子はダンナが家出中、社会と接点を持ったことで、
客観的に考えられるようになったんだろうと思います、
和平から、ダンナを見かけたという電話をもらった時、
すぐにでも、そこに駆けつけたかったでしょうけど、
ちょうど子守り中で、仕事を放り出すことはしなかった、
あんなに泣きわめき、ヒステリックになり、酔っ払って、
ダンナをぶっ殺す、なんて言っていた典子がです。
私も、典子が言うように、しょせん夫婦は他人じゃないかなと思うんです。
(未婚、子なしが言うのも何ですが。。)
どんなに大恋愛をしても、それが永遠に続くわけじゃない、
結婚して子供が産まれ、母に、父に、家族になっていく、
血をわけた親と子の間にあるのは愛でも、
夫婦を繋ぐのは、情、なんじゃないでしょうか、
それが、
典子の言う、
「この人を嫌いになれない」、なんじゃないかと、、、
冒頭、和平がバスの中から見かけた、
ダンナが浜辺で一緒にいた女性は知美母(美保純)でした、
お金を持たないダンナは、また、ゴチになってた最中で
食後、礼を言い、
もう、こらから会うこともないだろう、
そろそろ、旅立ちの時だ、と、
ところであなたは誰?と、知美母、
それには答えず、背を向け歩き出すダンナ、、、
しかし、実際にはその近くの小舟の中で居眠りしてたわけで、
おそらく、旅立ちといいつつ、
行くあてもなく
また、知美母にゴチしてもらう、
その繰り返しだったんじゃないかと、、
そういうダンナなんですよ、
不動産屋の若い女性にもまったく相手にされず、
嫉妬するような浮気などできるはずのない、
でも、時々自由というか家出したい、そういう人、、、
典子はそれがわかった、受け入れようと決めたんでしょう、
局の自販機で飲み物を買っていた千明の前に、
ベビーカーをおして、典子とダンナがお揃いで登場、
無職になったダンナを典子がシッターとして
働けるようにしたのでした、
がんばってくださ〜い、と千明、
めでたし、めでたし、、、の感じ、
そして、
千明が仕事帰りの夜、
駅改札で、定期券をどこに入れたかわからず、
(このシーンはちょいちょいある)
バッグやポケットの中を探している所へ、
薫子が現れ、
どうも〜、お疲れさまで〜す、
もしよろしかったら、お話しませんか?お酒でも?
定期券を探すのに必死な千明が返事をしそびれていると、
吉野さんですよね?吉野さんって、
私みたいなのきらいっていうか苦手ですよね。。。。
薫子はあきらめ、じゃあ、と立ち去ろうとするのですが、
やっと、定期券が見つかった千明が、
行きましょう、と誘い、歩いていく二人、、、
ここまでが第八話でした、
たこ焼きのことが頭に残ってる私としては、
この誘いに乗る気にはなれないけどなぁ。。。
心が広い、、、千明ってほんとにいい女ですよね、、、